Do!「終活」 ~楽しみながら終活しましょう~

人生の終盤に大切な事を、分かりやすく解説します。

認知症とその対応 ~その1~高齢化社会の現状

 

高齢化社会の到来は、もうすぐそこまで来ています。

人口減少やいびつな人口構成といった深刻な問題を伴って、日々足音を大きくして近づいて来ています。

恐ろしいことに「人口問題」と「高齢化」は、セットでやって来るのです。

 

人口が減少しているのは、ご存知の通り若年層世代です。

若年層の人口減少は、将来に渡る更なる少子化を招きます。子供を産める世代の人口減少がマイナスのスパイラルを形成し、その後の人口減少を加速度的に進める要因になります。

逆に言えば、人口回復を望むためには、女性の生涯出産人数が劇的に増加する必要があると言う事です。

一方、「高齢化社会の到来」は、医療費の増加や認知症への対応などの、深刻な問題を生じます。

 

そんな状況について数字を使ってリアルに解説したのが、2017年に出版され話題になった「未来の年表」(河合雅司 著;講談社現代新書)という本です。

本の中で示されるショッキングな問題提起に接し、私も認識を改める部分が多々ありました。

 

主だったものを、目次から引用してみます。(すべて日本の事です)

 

(以下、「未来の年表」(河合雅司 著;講談社現代新書)の目次より引用)

 

2020年 女性の2人に1人が50歳以上に

2024年 3人に1人が65歳以上の「超・高齢者大国へ」

2026年 認知症患者が700万人規模に(高齢者の5人に1人が認知症患者に)

2033年 全国の住宅の3戸に1戸が空き家になる

2040年 自治体の半数が消滅の危機に

 

(引用終了)

 

「2024年の超・高齢化大国へ」については、一般に「2025年問題」と言われています。

しかし団塊の世代全員が75歳以上に到達するのは、実際には2024年の事です。

つまり「2025年問題」は、現実には1年前の2024年に発生します。

 

様々なシミュレーションの手法があるとは思いますが、一つの予測としてこれらの項目を見たとき、ぞっとするのは私だけではないでしょう。

今後20年余りの間に想像もつかないような世の中が、我々の目の前にその姿を現します。

 

総務省の「人口推計」(2017年6月1日現在)によると、2017年における日本の高齢化率(総人口における65歳以上の割合)は、既に27.6%にも上っています。

 

 

大きく日本全体でとらえたときに、「高齢化社会の到来」が綿密に検証・対応すべき重要な課題であることは、今更言うまでもないでしょう。

一方、個人の立場で高齢化問題を考えたとき、一番悩ましいのは「認知症」の事ではないでしょうか?

 

「未来の年表」においても、2026年には認知症患者が700万人を数えるという予測が出ています。別の表現をすると、「高齢者の5人に1人が認知症患者となる」という言い方ができるそうです。

高齢者の20%という確率は、ガンや成人病などと同等以上のレベルで、積極的に危機管理すべきレベルであると私は考えます。

ガンや成人病に対しては、様々な予防や健康管理、万が一の場合の保険など、具体的な対策を講じている方が多くいらっしゃるかと思われます。

同様に認知症に対しても、「認知症にならないか心配だ」と不安に思うだけではなく、より積極的に「認知症になった時のためどんな対策をしておくか」という対応が、皆に等しく必要とされると考えます。

 

次の章からは、認知症への対応と準備を、具体的に考えていきたいと思います。