Do!「終活」 ~楽しみながら終活しましょう~

人生の終盤に大切な事を、分かりやすく解説します。

葬儀のあれこれ ~その1~葬儀の事前準備

葬儀を迎えたとき、家族は悲しみとともに、多くの困難をも感じるものではないでしょうか?

 

親しい人の死に接し気が動転している中で、葬儀に関して次々と決めなくてはならない事が出てきます。家族にとっては、「悲しみに浸っている暇もない」というのが実感だと思います。

残された家族をその困惑から守るためにも、葬儀に関することは、なるべく事前に決めておくことをお勧めします。

 

 

さて葬儀のスタイルですが、現在では多様な考え方があります。

都市部を中心に、「家族葬」を行う人が増加しています。近所付き合いの変化や高齢化が、その背景にあると思われます。

家族葬」よりも簡略化された、火葬のみで最もシンプルな「直葬」なども増えてきています。

一方、葬儀場を借り多くの参列者を集める従来通りの葬儀も、まだまだ普通に行われています。

 

このように葬儀のスタイルが多様化している現状では、本人の希望をきちんと示しておくことがより重要であり、それが残された家族の迷いを無くすことに通じます。

家族の負担を気にするがため、本人としてはなるべくシンプルで低予算の葬儀を考えがちかもしれません。しかし葬儀の後も遺族は、親戚や故人の知人とのお付き合いをしていななければなりません。

身内だけで葬儀を済ませたため、その後ご近所や知人の弔問を受け、かえって忙しい思いをする事があります。

遺族の負担を考えシンプルな葬儀にしたにも拘わらず、むしろ遺族の負担が増してしまったという話を聞きます。

その辺りの事情も広く考慮し、遺族とも相談を重ねながら、希望をまとめていくのが良いでしょう。

 

葬儀のスタイルが決まったら、実際に何社か葬儀社をあたり、見積を出してもらいます。ここぞという葬儀社が決まれば、前もって契約をしておくのも一つの手です。

そして、ここぞと言う葬儀社については、必ず遺族に話しておきましょう。

話しをしておかなければ、いざその時にせっかくの準備が水の泡になりかねません。

 

遺影についても、事前に準備しておいたほうが良いでしょう。事前の準備がなければ、葬儀の直前の慌ただしさの中で、余裕のないまま選ばざるを得ません。自分の気に入っている写真を用意して、遺影に使うよう家族に示しておきましょう。

 

また葬儀を知らせて欲しい人のリストや、逆に知らせて欲しくない人のリストを、用意しておきましょう。故人の付き合いの範囲は、本人にしかわかりません。リストを用意しておくことで、遺族の負担がどれほど軽減されるかは、想像に難くないはずです。

 

その他にも、棺に入れて欲しいものなどがあれば、きちんと伝えておきます。

 

 

以上申し上げてきたことは家族に話しておく事が重要なのは勿論ですが、エンディングノートに書いておくことでより確実になります。

言葉で伝えた事は、後々忘れたり記憶違いを生じたりしかねません。伝えられた事の信ぴょう性をめぐって、親族間で争いになる可能性もあります。

逆に本人の言葉で残せば、故人の気持ちに直接触れることができ、納得性が高まります。

エンディングノートの威力が、最大限に発揮できる場面の一つです。

通常遺言には書かない事柄だけれども、文書で残しておく必要を感じる事についてこそ、エンディングノートを活用してください。

 

 

最後に葬儀費用についてですが、預貯金口座の凍結を見込んで別途用意しておけば、葬儀の準備としては万全です。