「終活」まとめ ~その1~「終活」に取り掛かるにあたって
さて一通り「終活」の内容を、概観をしてきました。
最後に、全体のまとめをしておきましょう。
まず初めに「終活」の定義ですが、私は「自分の半生を振り返り、死に至るまでの今後の人生を、より充実したものにするための手続き」と考えています。
死を意識した後ろ向きで孤独な作業などではなく、<今後の課題>を発見するための未来志向の作業と考えます。
つまり「終活」を通して悔いの残らない人生を送る事を、究極の目的と考えます。
例えば次のようなことを、もう一度静かな気持ちで整理してみましょう。
・行きたかったが行けないでいる場所(旅行)
・やりたかったが始められていない事
・対策を整えておくべき事
・身の回りの見直し
・病や死、老いの訪れに対する自分の考え方
・今まで貫いてきた信念
最初の記事でも書きましたが、「終活」とは<死を迎えるための準備>ではなく、<今を輝かせるための作業>だと言うことを、もう一度思い出してください。
その意識を強く持つことによって、「終活」を楽しく進めて行けるものと確信します。
それから終活を実施する際に、外してはならないポイントがいくつかあります。
ランダムに項目のみを上げると、だいたい次のような内容になります。
・相続人を確認しておく
・遺言の作成を検討する
・財産の整理をしておく(不動産の名義の確認、預貯金の口座の整理、有価証券の確認、生前贈与の検討など)
・借金の確認
・葬儀の形式と葬儀費用
・納骨や墓について
・葬儀は誰に任せたいか?
・祭祀継承者を誰にするのか?
・デジタル資産の管理(IDやパスワードの伝え方)
・介護に関する希望
・認知症になってしまった時の対応
・終末医療のこと
特別な事情がない限り、このような項目が検討できていれば、ほぼ十分だと思われます。
また所謂「お一人様」の場合には、この他に「死後事務委任契約」についての検討もしておけば完璧でしょう。
これらの事項の全てについて、検討する必要がある訳ではありません。
しかしこのような事項を網羅しておけば、後の面倒を見る家族の負担を大きく減らすことができます。
いえ負担が減るどころか、あなたに対する感謝と思い出に包まれながら、あなたの老後のお世話ができるためのかんが材料になるでしょう。
検討する対象が多岐に渡りますので、いっぺんに完成させる必要はありません。
興味が湧くテーマや、すでに考えがまとまっているテーマなど、自分なりの優先順位をつけて進めます。手を付けやすいところから徐々に積み重ねて、気楽に完成を目指しましょう。
一気に完成を目指すのではなく、少しずつ層を積み上げることを目指せば、心に余裕が生まれ、必ずや楽しい「終活」が行えることをお約束します。syuu