Do!「終活」 ~楽しみながら終活しましょう~

人生の終盤に大切な事を、分かりやすく解説します。

身の回りの点検 ~その3~デジタル資産の整理

身の回りの整理は、まだ続きます。

最後にデジタル資産について、考えてみましょう。

 

 

ところで皆さんは、「デジタル遺品」という言葉を、お聞きになったことはあるでしょうか?

 

デジタル遺品とは、一つにはパソコンやスマートフォン、外付けハードディスクやUSBメモリ、DVDなどのデジタル機器に保存されたデータのことです。

もう一つには、インターネット上のデータ貯蔵庫であるDropboxEvernote、他にもGoogleドライブなどに保管したデータも含まれます。

 

またSNSフェイスブックツイッター、インスタグラム等)や、もしご自身で所有するホームページやブログなどがあれば、それらのデータも対象となります。

 

 

普段は便利に使っていて、すっかり日常生活に浸透しているこれらのデータも、主を失った瞬間から難破船のようにデジタル世界を漂い始めます。

適切な対応を施さない限り、その姿を正確に保ったまま、長きに渡りさまよい続けます。

 

それまで「デジタル資産」であったものが、その瞬間から「デジタル遺品」に変わるのです。

「人に見られたくないデータ」、あるいは逆に「伝えたいデータ」など、自分の死後、自分の思い通りデータを処置できるような準備をしておく事が大事です。

 

それでは具体的に、どんな事に気を付ければ良いのでしょうか?

データに関しては<削除する>のか<残す>のか、その切り分けは自分にしかできません。

大きく分類してどちらに属するデータか、それをいつも意識しておく事は、普段の心がけとして大事なことです。

 

またSNSやホームページ、ブログ等についても、死後の扱いを家族に伝えておかないと、残された家族はどう対処してよいか分からず、家族間の意見も分かれ、困ってしまうことでしょう。

 

 

最近はネット銀行やネット証券も、多く利用されています。

手数料の安さや手軽さ、利便性などの理由から、口座を開設している方も多いと思います。

ネット銀行やネット証券は通帳等がないため、後々見落とされる可能性もあります。

最低限どこに口座を持っているのか、一覧表にしておくことは有効なことです。

 

 

それでは次に、有効な対策をどのように用意しておくかについて、具体的に話を進めていきましょう。

 

「伝えるべきデータ」と「削除するデータ」を区別して、別々の記憶媒体に保存しておきます。

そうする事によって、将来の適切なデータ処置が期待できます。

ただし「削除するデータ」は、自分でマメに消しておく必要があります。

(もし不可能であれば、守秘義務のある専門家に相談してください。)

 

SNSやホームページ、ブログ、インターネット上のデータ貯蔵庫などについては、IDとパスワードの記録を残しておきます。

その上で、個々にどのようにして欲しいのか、希望を書き残しておくことをお勧めします。

自分の意思を書き記しておく事により、残される家族の心の負担を軽減します。

 

それから気を付けたいのが、メルカリやYahoo!オークション、または自己が開設した物販のホームページなどです。

注文を受けたまま放置されているような事態に陥らないよう、商品の取り下げやホームページ閉鎖など、対応を忘れてはいけません。

 

 

 

※デジタル遺品に関しては、当事務所で監修をしたwebマガジンに分かりやすく解説があります。

ぜひ次の記事(2018/7/19)も、ご参照ください。

 

 

TIME&SPACE(KDDIがお届けするIT×カルチャーマガジン)

スマホやパソコンに残る『デジタル遺品』今からできる遺族の対処法は?」

https://time-space.kddi.com/it-technology/20180719/2386

身の回りの点検 ~その2~物の整理

日常使っている物や身の回りの品の見直しは、実はとても厄介な作業です。

 

例えば写真やアルバム、ノートや日記、衣類や本、趣味で集めたコレクションの品々など、ちょっと思い付くだけでも相当な量になるはずです。

 

価値のある骨董品や絵画であれば別ですが、日常の品は身近であればあるほど、他の人からすると、その価値には見当がつかないものです。

自分にとっては「空気のような存在」になっている物は、改めて数え上げると結構な分量すなると思います。

長い人生を生きてきたわけですから当然のことですが、その整理を家族に委ねるとすれば、家族の負担が大きなものになることは想像に難くありません。

 

客観的に価値のないと分かっているコレクションであっても、いざ家族が処分しようとなると、故人との思い出が邪魔をして、なかなか決心がつかないものです。

その反対に売ればたいそうな価値がある物であっても、そうと知らされてなければ、うっかり捨ててしまうこともあるかもしれません。

ましてや家族に一度も話したこともなく、箪笥の引き出しの奥深くに密かに隠してあった場合など、その存在にすら気付かず、ほかのものと一緒に捨ててしまうことさえあり得ます。

 

故人の写真やノート、日記なども、家族にとっては捨てる決心を付けるのが、なかなか難しい物の一つです。

必ずご自身で整理をしておくべき所以が、そこにあります。

 

そういう物は嵩も張りますので、例えば写真などはスキャナーで読み取り、デジタル化しておくのも一つの方法です。

もし後世に残したくない写真などがあれば、ついでにその時に処分してしまうことも検討しましょう。

 

ノートや日記についても同様の判断をして、なるべく身軽にしておきます。

 

作業を進めるうえで一番注意しなくてはならない事は、一つ一つの品の思い出に浸らず、ドライに進めると言う事です。

アルバム整理をするはずが写真の閲覧大会に変わってしまい、肝心の片づけは「また今度」と言うのは、誰しも経験があることと思います。

そうなるとただ散らかすだけで、かえって仕事を増やしてしまう結果になります。そうならないよう、十分に気を付けましょう。

 

何年も着ていない衣類も、相当数あるのではないでしょうか?

勿体ないとの思いから何となく取っておくと言うのは、誰しも経験があることと思います。

しかし日常着られる衣服は、限られています。1シーズン着なかったものは不要と判断して、どんどん処分する潔さも必要です。

必要になったら、また買えばよいのです。

高くなくとも新しいもの、清潔なもの、今風のものを着ていたほうが、見栄えも良く、おしゃれなシニアを演出できます。

 

本についても、今は手軽に売ることができます。思い切って整理して、売りにいってみましょう。

帰りにその売り上げでおいしい食事を楽しめたら、蔵書していた時とはまた違う満足が生まれること請け合いです。

 

そうやってなるべく持ち物を減らし、シンプルに暮らして、新しい生活を呼び込むことに気持ちを向ける。そうする事で、今までとは違った楽しさに巡り合えます。

 

新しいものが入る余地を用意しておかないと停滞が続く。

そのくらいに考え、こだわりを捨てて、生活に新風を吹き込むことを楽しみましょう!

身の回りの点検 ~その1~財産の管理・整理

終活の準備として、まずは身の回りの点検からはじめてみましょう。

将来エンディングノートを作るときの、全体像が見えてきます。

また一気にエンディングノートの作成にまで至らなくても、身の回りの点検を行った範囲内で整理がつき、その部分だけでも役に立ちます。

軽い気持で、始めましょう!

 

 

一番先にまとめておきたいのは、やはり財産関係のことです。

そのためまず初めに、資産の一覧表を作成することから始めます。

今後きちんとエンディングノートに書き留めるためのメモとして、ごく簡単な表で良いので整理しておきましょう。

 

書き出す項目は、次のような事項です。

 

・不動産(この段階では「何処に何があるか」程度の簡単なメモでもOK)

・預貯金(銀行名、支店名、できれば口座番号。残高は不要。)

・株式や投信を保有している先の証券口座

・加入している生命保険、年金保険、損害保険

保有しているクレジットカード

・その他の価値のある財産

公的年金のこと

・(もしあれば)負債

 

エンディングノートに向かい、これらの事項を一気にまとめようとすると、かなり高い確率で嫌になり、延ばし延ばしになってしまうことでしょう。

少しずつ形を整え、整理したところ迄で利用価値があるようにして、ゆったりと準備していきましょう。

そのほうが気を楽に持て、長続きすることでしょう。

 

一覧表作成の段階では、細かいところまで正確にリストにする必要は、まったくありません。

一つ一つ調べていると、途中で面倒になってしまうのが落ちではないでしょうか?

(少なくとも私などは、すぐに飽きそうな気がします。)

 

簡単な形式であってもリスト化しておけば、後々の作業の範囲が分かり、作業量や進捗を見渡すことができます。

またリストがあれば、万が一の時にも、残された家族の負担が大いに減少します。

 

昨今はインターネット銀行やインターネット証券を、活用している方も多くいらっしゃると思われます。

それらについてはまた後の章で詳述いたしますが、ネット口座は通帳や紙ベースの明細が存在してないことから、見落とす危険性が大いに懸念されます。

メモ程度であっても一覧表を残しておけば、そのような見落としを防ぐことができます。

 

一覧表を作ることの意義・重要性は以上の通りで、十分ご理解いただけた事と思います。

 

さらにもう一つ付け加えるならば、不要な口座やカードはできるだけ整理してしまうことをお勧めします。

作成した当時は、様々な事情から必要であったことでしょうが、現在稼働していない銀行や証券の口座、クレジットカードなどがあれば、口座そのものを解約してしまいましょう。

財産構成をシンプルにしておくことも、家族の負担を減らす大事な要素になります。

 

また場合によっては生前贈与を検討することも、有効な財産整理となることがあります。

その際は税金関係の事もきちんと調べ、できれば専門家に相談しながら進めると良いでしょう。

終活の準備 ~その2~

「終活」を進めるうえで有用なパートナーとなるのが、エンディングノートです。

さてそれでは、いったい何をどのように、ノートに書けば良いのでしょう?

エンディングノートには、法的な効力はありません。そのため形式にとらわれることなく、ご自身の肉声に一番近い内容を、自由に残すことができると言うメリットがあります。

つまり自分で直接頼めなくなったときに、あなたに代わって残された家族に語り掛ける、とても重要なツールと言えます。

何を書いても自由ですが、次のような内容は、一通りチェックしておくと良いでしょう。

 

  • 半生を振り返り自分史をまとめる

大切な思い出を時系列に辿って、自分史をまとめることも楽しい作業となるでしょう。また配偶者・子供・友人など人ごとに、思い出や感謝の言葉をつづっても良いでしょう。

そして文章だけでなく、思い出の写真や絵など、目で見て感慨深いものに仕上げるのも楽しい演出の一つです。

 

  • 現在の状態について

・健康状態(病歴・持病やかかりつけの病院、服用中の薬など)

・趣味嗜好(好物や嫌いなもの、趣味など)

・交友関係(親しい人や所属しているサークルなど)

自分しか知らないことが、多くあるはずです。これらを整理しておきましょう。

 

  • 将来の不安や困りごと

将来の不安に関しては、置かれた環境によって、人それぞれに大きく違うところだと思います。

1人暮らし、夫婦2人暮らし、子供たちと同居など、世帯構成によっても違ってきますし、親類・子供など近しい関係の人が近所に居住してるかどうかによっても、各人の感じる不安のは人それぞれと思われます。

財産や身の回りの世話などについて、自分の状況に沿って課題を洗い出しておくことは、高齢や病気になった時の備えとして非常に有効です。

ペットを飼っている人は、もし飼うことができなくなった時の対応も考えておくと安心です。

 

  • パソコンや携帯のデータ

SNSのアカウントや写真、メール、アドレスなどの個人情報の扱いをどうするか?

デジタル社会の恩恵に浴していればいる程、細かい対応が必要になります。

またその前提として、使用しているパソコンや携帯などの電子機器のパスワードが分からないと、電子機器を立ち上げることができませんのでご注意ください。

判断がしっかりしている間に、最低限の選別を行い、削除したいデータやアカウントは、自分で削除しておくことをお勧めします。

有料サイトの契約なども記録に残しておかないと、解約ができず永遠に料金が請求されることにもなりかねません。

またネット銀行やネット証券を利用する方も多いと思いますが、こちらの対策も忘れてはなりません。

 

  • 日記や写真、コレクションなど

日記や写真も処置を指示残しておかないと、万が一の時に、残された家族に判断をゆだねるのは酷な事です。

同様にコレクションも、家族にとっては判断をするのが難しいでしょう。

 

  • 最後の瞬間について

延命治療についての考え方、もしもの時に知らせて欲しい人のリスト、葬儀の形式などに希望があれば、必ず書き留めておきましょう。

特に延命治療に関しては希望を残していなかった場合、家族は様々な思いの中で判断せざるを得ません。その心中は、はかり知れないものがあるでしょう。

 

ざっとこのような事項を意識して、まとめればよいと思います。

ただ人により不要な項目もあると思いますので、ノートを用意したら書きやすい部分から、ゆったりとした気持ちで、楽しみながら書き進めれば大丈夫です。

 

エンディングノートの種類については、市販のノートや、いろいろな団体で配布しているものなど、選ぶのに困るほど各種あります。

目に付いたものを手に取り、パラパラとめくってみて、自分に合いそうなものを見つけてください。

 

そしてエンディングノートを書いたことと、保管している場所を、信頼できる人物に必ず伝えておきましょう。

準備万端に整えても、せっかくのノートがタイムリーに発見されなければ、何の役にも立たちません。

さて以上で総論を終了して、次回からは項目別に解説していきます。

終活の準備 〜その1〜

それでは実際には、どんなことから始めれば良いのでしょうか?
実際に「終活」に取り組む前に、「終活」の準備について確認していきましょう。


まず真っ先に考えるべきは、「誰に託すのか?」と言うことです。


エンディングノートを残すという行為は、書くこと自体が目的になるのではなく、遺志を継ぎ自分の思いを実現してもらうことにあります。
そのために自分の信頼できる人、そしてまた自分を理解してくれる人に託すことが、重要であることは言うまでもありません。
自分の周りで信頼できる人が直ぐに頭に浮かぶ場合は、その人に話をしてみてください。自分の思いを話す中で、相手も自分を心配してくれていることが分かれば、信頼の絆もより深いものになるでしょう。
あくまでも自分の気持ちや感覚といったものを大切にして選び、理詰めで選ぶのはやめてください。

 

また自分の周りに適任者が思い浮かばないという方も、少なくないと思います。
そんな場合は、行政書士などの専門職と<任意後見契約>を結び、将来の不安解消のパートナーとすることも選択肢の一つになります。
その場合もきちんと相手の人柄を見て、気持ちの合う人や、考え方の方向が一緒の人を選んでください。

 


託す相手を選びつつ、エンディングノートのほうも少しずつ用意を始めます。
将来に関する不安や心配事を整理し、その対策を考えるというのが、エンディングノートのメインテーマになります。


記録しておくべきポイントは、次の通りです。


・思い出の整理(自分史・家族や友人へのメッセージ)
・物の扱い(写真・日記・コレクション・PCやスマートフォンの処理)
・財産管理や身の回りの世話(認知症になった場合の対応、ペットについて)
・介護について(施設や介護方法の希望)
終末医療の意思表示(延命治療について)

葬儀やお墓に関すること(誰に知らせて欲しいか、葬儀の形式、墓のスタイル)
・相続について(遺言書の作成)


ノートにまとめ自分の思いを正確に伝えれば済む項目、公正証書などの契約書を用意すべき項目の他に、民法の形式に則った厳格な様式が要求される遺言などに分かれます。


エンディングノート」を利用する課題、公正証書を作成する課題など、それぞれの項目の特性に沿った対応をすることが、大変重要になります。

 


繰り返しますが、一番の目的は「課題の洗い出しと不安の解消」です。
日常生活を送る中で、何となく心に引っかかること、心配な問題、不安な状況などを、まずは洗い出し、一つずつ対策を立て将来の不安を消していきます。


エンディングノートも遺言も、書き直しができます。
たった今、現状の思いを記録しても状況に変化があれば、その部分だけ書き直し、バージョンアップをして行けば良いのです。

 

最悪なのは、心配や不安を感じながら気づかないふりをして、あるいは面倒だと後回しにして、何も対応を考えないことです。
不安や心配を目の前に並べ整理してみると、それだけで案外気持ちが落ち着くものです。
落ち着いた気持ちで将来の設計を静かに考えることは、心の中に安心を生む作業となって行くはずです。

 

そしてそれは、しだいに楽しみに変わってくることと確信します。

 

終活は本当に必要か?

さて我が身を振り返って、「果たして本当に自分に終活が必要なのだろうか?」

そうお考えになる方も、多いと思います。

 

そんな疑問にお答えするため、今回は「終活が何に役立つのか?」と言うことについて、ご一緒に考えてみましょう。

 

 

現在どんなにしっかりしていても、年を重ねて行けば将来、認知症のリスクや重篤な病のリスクが訪れ、また子供との関係が疎遠になっていたり、そもそも子供がいなかったりなどと、どなたでも心配事の一つや二つは浮かんでくることだと思います。

 

どんな方でも例外なく老いが訪れ、そして死を逃れることはできません。

 

もちろん若い方にとっては遥か遠い先の事であり、むしろ老いや死に到達する前に、人間として仕上げなくてはならない事が、まだまだたくさんあるでしょう。

一方、中高年は若い方に比べると、圧倒的に持ち時間が短いと言うのが、本当のところです。

元気で溌剌と活動していても、毎年確実に年齢を重ねていきます。

「終活」など他人事だと関心を持たずに放っておくと、思わぬ落とし穴にはまることになるかもしれません。

そして認知力だけでなく体力や気力も、年を追うごとに低下していきます。

体が元気で、精神的にもしっかりしているうちであれば、自分らしい考えができるでしょう。しかし能力・体力・気力が低下してからでは、自分らしい判断や対応が、十分できない恐れがあります。

 

例えば、次のような状況を考えてみてください。

 

・意思が表せなくなっても自分らしく暮らしたい。

・家族に余計な心配をかけたくない

・自分の死後、ペットの世話は誰がやるのか?

・亡くなった時には、この人には必ず連絡して(or連絡しないで)欲しい。

・自分らしい葬儀をあげてもらいたい。

・PCやスマートフォンのデータや写真の処分はどうなるのだろうか?

 

 

介護や身の回りの事、葬儀、お墓、医療、ペットの世話、それに情報機器やクラウド上に残るデジタルデータの処理等々...。

数え上げると、きりがありません。

 

このような事は、遺言ではカバーしきれないのです。

 

 

つまり「気がかりな事」の整理をしておき、自分らしく安らかに終焉を迎える準備をすることこそ、「終活」にほかなりません。

 

過去の人生を振り返るとともに、今後の人生の不安を整理する。

つまり今「課題を見つけ、その対策を立てる。」

これこそが、「終活」の本旨です。

 

そして、どうせやるなら、楽しみながらやってしまおう!

それが私からの提案です!!

終活とは何か?

近年TVや雑誌などのメディアにおいて、「終活」という言葉を頻繁に目にするようになりました。

シニア市場の広まりからか、マスコミやその周辺の業界がそこに商機をかぎ取り、露出を増やしているものと想像してしまいます。

週刊誌の見出しには毎週と言っていいほど取り上げられ、詳しく知らない人も既に食傷気味になっていることでしょう。

 

そんな状況ではありますが、流行り言葉としてスルーしてしまうには勿体ないと、私は考えています。

 

 

そもそも「終活」とは、何でしょう?

 

あまりにも当たり前に耳にするようになっているため、今更考えてもみなかった、という方が多いのではないでしょうか?

 

 

まず頭に浮かぶのは、「エンディングノート」の準備をしたり、「遺言」を書いたりすることだと思います。

その他にも葬儀社の会員になったり、お墓の準備をしたりすることを、思い浮かべる方もいると思います。

また財産整理や子供や孫への生前贈与など、お金にまつわることを、真っ先に思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。

 

確かにある程度の年齢に達した場合、これらのことはとても重要なことではあります。

しかしこれらのことは<現象面>に過ぎないと、ここでは言い切らせていただきます。

その前に、そしてそれらの中心には、ご本人の存在と人生があることを、決して忘れてはいけません。

本来の「終活」の意義とは、「自分の半生を振り返り、今後の死に至るまでの人生をより充実したものにするための手続き」であると、私は考えています。

 

・行きたかったが行けないでいる場所(旅行)

・やりたかったが始められていない事

・対策を整えておくべき事柄

・身の回りの見直し

・病や死、老いの訪れに対する自分の考え方

・今まで貫いてきた信念

 

このような事柄に関して思いを巡らせ、悔いの残らない人生を送るための<今後の課題>を発見することにこそ、本当の意味があると確信しています。

 

過去の振り返りから始め、忘れていたことや諦めていたこと、チャレンジしていなかったことなどを洗い出し、今後の課題を定めていく楽しい作業が終活の本来の姿です。

 

死を意識することで、逆により一層今が輝き出すという事実に、異論を唱える方はいないと思います。

「終活」とは<死を迎えるための準備>ではなく、本来は<今を輝かせるための作業>であることを、理解していただきたいのです。

 

今後の人生をより魅力的なものにするため、楽しみながら「終活」を行っていきましょう。